子供でも理解できる「原発」の是非

◆原発は安全だというのは本当か?

まずは、論より証拠。過去の原発事故を列挙してみました。

 

  • 1945年  8月21日  デーモン・コア事故(アメリカ)
  • 1946年  5月21日  デーモン・コア事故(アメリカ)
  • 1952年12月12日  チョーク・リバー研究所、原子炉爆発事故(カナダ)
  • 1958年  5月24日  チョーク・リバー研究所、燃料損傷(カナダ)
  • 1957年  9月29日  ウラル核惨事(ソ連)
  • 1957年10月  7日  ウィンズケール原子炉火災事故(イギリス)
  • 1958年10月25日  臨界暴走、人員の被ばく(ユーゴスラビア)
  • 1959年  7月26日  サンタスザーナ野外実験所、部分的炉心溶融(アメリカ)
  • 1960年  4月  3日  ウェスチングハウス社実験炉、炉心溶融(アメリカ)
  • 1961年  1月  3日 SL-1爆発事故(アメリカ)
  • 1964年  6月24日 燃料施設での臨界事故(アメリカ)
  • 1966年10月  5日エンリコ・フェルミ炉炉心溶融(アメリカ)
  • 1966-1967年冬(日付不詳) 原子力氷砕艦レーニン冷却材喪失事故(ソ連)
  • 1967年  5月 チャペルクロス原子力発電所、部分的炉心溶融(スコットランド)
  • 1969年  1月21日 実験炉の爆発事故(スイス)
  • 1975年12月7日 グライフスヴァルト発電所1号機の火災(東ドイツ)
  • 1977年  2月22日 ボフニチェA1発電所の燃料溶融事故(チェコスロバキア)
  • 1979年  3月28日 スリーマイル島原子力発電所事故(アメリカ)
  • 1980年  3月13日 サン・ローラン・デ・ゾー原子力発電所2号機の燃料溶融、放射性物質漏洩事故(フランス)
  • 1981年3月 敦賀原子力発電所、放射性物質を日本海に放出、作業員超過被曝(日本・福井)
  • 1983年  9月23日 臨界事故(アルゼンチン)
  • 1986年  4月26日 チェルノブイリ原子力発電所事故(ウクライナ)
  • 1986年  5月  4日 燃料損傷事故(西ドイツ)
  • 1987年  9月 ゴイアニア被曝事故(ブラジル)
  • 1989年 10月19日 バンデリョス原子力発電所、タービン火災(スペイン)
  • 1991年   2月9日 美浜発電所2号機蒸気発生器伝熱細管破断(日本・福井)
  • 1991年   4月4日 浜岡原子力発電所3号機原子炉給水量減少(日本・静岡)
  • 1993年   4月6日 セヴェルスク(トムスク-7)、爆発事故(ロシア)
  • 1995年12月8日 もんじゅナトリウム漏洩火災事故(日本・福井)
  • 1997年  3月11日 動燃東海事業所火災爆発事故(日本・茨城)
  • 1999年  6月18日 志賀原子力発電所1号機、臨界事故(日本・石川)
  • 1999年  9月30日 東海村JCO臨界事故(日本・茨城)
  • 2003年  4月10日 パクシュ原子力発電所、燃料損傷(ハンガリー)
  • 2004年  8月9日  関西電力美浜原子力発電所3号機・2次冷却水配管蒸気噴出(日本・福井)
  • 2005年  4月19日 セラフィールド再処理施設、放射性物質漏洩(イギリス)
  • 2005年11月 ブレイドウッド原子力施設での放射性物質漏洩(アメリカ)
  • 2006年  3月6  日 アーウィンでの放射性物質漏洩(アメリカ)
  • 2006年  3月11日 フルーリュス放射性物質研究所ガス漏れ事故(ベルギー)
  • 2011年  3月11日 福島第一原子力発電所事故(日本・福島)
  • 2011年  3月11日 福島第二原子力発電所冷却機能一時喪失(日本・福島)
  • 2013年  5月23日 J-PARC放射性同位体漏洩事故(日本・茨城)

 

戦後70年の間にこれほど多くの原発事故が発生していることを考えると、とうてい「安全だ」とは言えないでしょうね。

ちなみに、もしも原発事故が発生したら人間が住めなくなる半径170km区域を、日本にあるいくつかの原発についてプロットすると、

上の画像のようになるそうです。

 

今のうちに海外へ引っ越した方がよいかもしれませんね。

◆日本は電力不足だというのは本当か?

これだけ危険な原発でも、電力が足りなければ仕方ないかもしれません。では、本当に電力不足なのでしょうか。

上のグラフは総務省統計局、電気事業連合会の出典によるものですが、これを見る限り、火力発電と水力発電だけで、最大需要電力量をまかえなかったことは過去においてほとんどないことがわかります。

 

もちろん、水力発電は、渇水や定期検査時には使用できないため、総電力にわずかな不足が生ずる可能性もありますが、それは真夏のわずか数日中の数時間だけのことであって、自家発電による補充や工場等の施設や一般家庭による節電で十分カバーできるでしょう。

 

よって、電力不足を理由として原発を推進するのは無理があると思います。

◆原発はコストが安いというのは本当か?

この点、政府は、2014年の10月に、1キロワット時あたりのコストとして、

 

火力発電=10.3~10.9円

原子力発電=8.9円

 

と試算し、原発はコストが安いとアピールしてきました。

 

しかし、これは、福島原発の事故かかる諸費用を5兆8000億円と低く見積もった結果であり、これに対して立命館大学の大島堅一教授らの試算(詳細は こちら )によると、その額は11兆819億円にのぼることが分かりました。さらに、各原子炉の稼働寿命を建設から40年としてこれもコストの試算に入れると、

 

火力発電=10.3~10.9円

原子力発電=11.4円

 

という結果になり、「原発はコストが安い」というのは、どうやら間違いのようです。

◆原発はCO2を排出しないというのは本当か?

この点、従来、政府や電力会社は、発電時にCO2が一切発生しないことから、原発は地球温暖化の防止に役立つとアピールしてきました。


しかし、CO2の排出量の計算方法について今日では、ライフサイクルアセスメント(LCA)という評価基準があります。これは、発電時の排出量だけではなく、ウラン鉱石の採掘から、ウランの精製や加工施設の建設と稼働、発電所の建設から運転、廃止、廃棄物の処分まで、発電に要する全過程で消費されるすべてのエネルギーを対象に、CO2排出量を調査し、算出するものです。


このLCAに基づいて、現在関西電力が公開しているデータが、下のグラフです。

これを見ても、たしかに、原発はCO2の排出量が著しく少ないように考えられます。


しかし、前述の大島堅一教授は、CO2のLCAに関する世界的権威として有名なシンガポール国家大学教授のベンジャミン・K・ソバクール氏(詳細は こちら )が2008年に発表した研究データ103個のうち、信ぴょう性のあるもの19個を抽出して再検証したところ、以下のような結果が判明しました。

これを見ると、原発によるCO2の排出量は、1kw時あたり平均で約66グラムということになります。


また、アメリカのスタンフォード大学で土木・環境工学を研究しているマーク・ジェィコブソン教授(詳細は こちら )の研究結果によると、以下のようなデータが出ています。

これを見ると、原発のCO2の排出量は、火力ほどではないにしても、決して少なくないことがわかります。


また、仮に原発を稼働した場合、電力の柔軟な供給のためには火力発電との併用が不可欠であること、処理にCO2が発生する核廃棄物は年々増加していくこと、万一事故が発生した場合の原子炉冷却処理でもCO2が発生すること等からも、原発が地球温暖化の防止に役立つとは、必ずしも言えない思います。

◆電力会社の利権

では、なぜ、政府や電力会社等は原発を推進するのでしょうか。


まずは、電力会社について考えます。


ひとことで言えば、「儲かる」からです。


電力会社の利益や電気料金等は、電気事業法19条で規定されており、いわゆる「総括原価方式」というものが採用されています。


これによると、


・営業費=人件費+燃料費+修繕費+その他(税金など)
・事業報酬=発電用資産×報酬率(3%)
・総原価=営業費+事業報酬-他社へ販売した電力料収入
・電気料金の平均単価=総原価÷販売する電力量


という計算式で電気料金が決定されます。


少し複雑ですが、電力会社は必要経費と利益をすべて国民への電気料金に転嫁することができ、絶対に黒字を維持できる仕組みになっていることがわかります。


ここで、注目してほしいのは、「事業報酬=発電用資産×報酬率(3%)」という部分です。原発は1機作るのに4000億円以上もかかる高価なものですが、電力会社の事業報酬はその発電用資産の3%とされています。しかも、その発電用資産の中には、なんと、使用済み核燃料まで含まれることになっています。


つまり、巨大な原発をたくさん作って稼働すればするほど、電力会社の利益はどんどん増えるということです。


ちなみに、2012年度の各電力会社の従業員の給与と役員報酬の平均額は以下の通りでした。

東京電力の役員報酬だけが低いのは、福島原発事故の直後のための臨時措置でしょう。


それにしても、べらぼーに高額なことがわかります。これらがすべて国民の電気料金でまかなわれているかと思うと、やり切れません。

◆政治家の利権

原発推進でおいしい思いをするのは、電力会社だけではありません。電力会社等からの政治献金に群がる政治家たちです。


原発再稼働をすすめる電力会社や原子力関連の企業などでつくる原発利益共同体の中核組織、原子力産業協会(原産協)の主な会員企業と電力会社のグループ企業が、2012年に3億円以上を自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)に献金していることが、総務省公表の政治資金収支報告書で明らかになりました。また電力会社の役員による自民党側への献金が、東京電力福島第1原発事故の起きた11年分の3倍となっていることも判明しました。


国政協には53企業・団体が、前年を上回る計3億3353万円を献金していました。


このうち、電力会社からはグループ企業の中電工や四電ビジネスを通じて献金が行われ、原子炉メーカー三菱重工の1000万円、東芝の1400万円、日立製作所の1400万円などの献金が並びます。


一方、原発を持つ電力会社9社の役員(12年当時の取締役、監査役、執行役員、相談役、理事)の国政協への個人献金を調べると、東電、関西電力、九州電力をのぞく6社の役員53人が総額409万円を献金。原発事故が起きた11年分と比べ、人数、額とも急増しています。前年には5社で37人、総額126万円だった献金が3倍となりました。


11年には誰も献金しなかった東北電力は、高橋宏明会長や海輪誠社長をはじめ14人が献金。北陸電力も0人から、久和進社長が20万円を献金するなど15人が寄付しています。


電力会社からの企業献金は、公益企業の献金への批判の高まりの中で、1974年以降、行われていませんが、役職で額を決めて組織的に個人献金をするという形で事実上の企業献金が行われているのです。

◆官僚の利権

さらに、経済産業省の役人等いわゆる高級官僚も、原発の利権に群がります。いわゆる「天下り」です。


東日本大震災にともなう東京電力福島第1原発で起きた最悪の事故で、原子力の安全のための規制機関を、原発推進の経済産業省から切り離すことなどが求められていますが、原発関連の財団法人などに、同省幹部らが多数、天下りしていることが日本共産党の調査でも明らかになっています(下の画像は「しんぶん赤旗」2011年5月5日付10面)。

ホームページで「原子力の安全確保に取り組む専門家集団です」とうたっている独立行政法人「原子力安全基盤機構」の場合、理事長は資源エネルギー庁発電課長、科学技術庁原子力安全課長などを歴任した旧通産官僚でした。3人の理事のうち、2人は、原子力安全・保安院の企画調整課長と、原子力安全基盤担当の審議官でした。

 

1995年のナトリウム火災事故以来、運転を停止している高速増殖炉「もんじゅ」を運営している独立行政法人「日本原子力研究開発機構」も、7人の理事のうち、3人が官僚OBでした。


原発地域の振興策や原発見学会などにとりくむ財団法人「電源地域振興センター」は会長が東京電力の清水正孝社長。理事長は、元中小企業庁長官で、理事には、元中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局長らが名前を連ねています。


原発などの立地について「地域住民の理解促進や国民の合意形成を図るため」広報活動などを展開している財団法人「日本立地センター」の理事長は元通産省通産審議官、専務理事は元九州通産局長です。


このほか、原発によって廃棄される使用済み核燃料の最終処分場の建設・管理など処分事業全般をおこなう「原子力発電環境整備機構」、「政府の原発利用計画の策定と政策の推進に協力」する社団法人「日本原子力産業協会」なども官僚の天下り先となっています。


これら原発推進団体が、原発推進の経産省幹部を受け入れているのは、癒着そのものです。


しかも、国民にとって重大なのは、これら天下り官僚が多額の報酬を受け取っていること。たとえば、電源地域振興センター理事長の年間報酬は1900万円です。ボーナスや退職金も目をむくような額で、日本立地センターの理事長の場合、ボーナスは月額報酬110万円の.5・5カ月分。退職金は月額報酬×30%×在職月数で計算され、5年務めたとすると、1980万円にもなります。

◆地方自治体の利権

さらに、地方自治体へも多額のお金がばらまかれています。


いわゆる「電源三法交付金」と呼ばれるもので、電源開発が行われる地域に対して補助金を交付し、これによって電源の開発(発電所建設等)の建設を促進し、運転を円滑にしようとするものです。


朝日新聞の調べによると、2004年度(予算ベース)での電源三法交付金は約824億円に上るとされています。うち、福島第一、第二原発を抱える福島県では約130億円、柏崎刈羽原発を抱える新潟県では約121億円、敦賀、美浜、大飯、高浜原発を抱える福井県では約113億円、玄海を抱える佐賀県では約100億円、六ケ所村核燃料再処理施設や放射性廃棄物管理施設を抱える青森県では約89億円となっています。


使用状況の実例は、(財)電源地域振興センターの「電源三法活用事例集」(詳細は こちら )に詳しく記載されています。2002年までは交付金の使用用途が一部の公共用施設に制限されていましたが、2003年以降は交付金の使途を地場産業振興、福祉サービス提供事業、人材育成等のソフト事業へも拡充されています。


これらの交付金はすべて国民の血税でまかなわれていることを忘れてはいけません。

◆まとめ

以上、まとめると、必要もない原発を次から次へと建設して、国民や住民が犠牲になる中で、ごく一部の政官財にかかわる人間が暴利を貪っている、というのが我が国の原発の実情といえそうです。


最後に一言、


これでもあなたは原発に賛成しますか?

コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    1961 (土曜日, 16 4月 2016 22:25)

    信実を教えてくれてありがとう

  • #2

    EA作成代行 (月曜日, 18 4月 2016 12:25)

    >1961さん

    コメントありがとうございます。できれば、多くの人に拡散願います。

  • #3

    Rocky (日曜日, 20 8月 2017 08:44)

    これは分かりやすい。

  • #4

    EA作成代行 (水曜日, 23 8月 2017 00:34)

    >Rocyさん

    コメントありがとうございます。

    素敵なサイトですね。ゆっくり読ませていただきます。

    EA作成代行